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こんにちわ起業家ブロガーのぶんたです。
みなさんはベーシックインカムって聞いたことありますか?
簡単に言うと最低限所得保障といって「生活に必要最低限のお金は何もせずともあげるからがんばれー!」っていう制度です。
実はぼくベーシックインカム先日まで行っていたんですよ。
なぜベーシックインカムをやろうと思ったのか。そしてなぜやめたのか。
今日はそんな話です。
ベーシックインカムという言葉を知った18歳
3年ほど前の話です。ぼくは起業当時WEB制作会社の取締役も務めていました。代表の方からは最先端の技術や政策など、色々な話を聞き毎日倍々ゲームのように知識をつけていきました。
そんな中で知ったのがベーシックインカムという言葉。ぼくはこの制度を聞いて感銘を受けました。日本、特に東京に住んでいると感じるのが「稼がなきゃ死ぬ」という感覚です。ぼくの場合は「稼がないと死ぬからなんとか自分の事業を創りあげよう!」と意気込めたというのもありますが、それでもやっぱり起業という決断はとても怖いものでした。
しかし仮に何もせずとも生活できる状態があった上での決断なら。また違った光景が見えたと思うのです。だからぼくはその光景を作ってみたかったし、見てみたかった。ベーシックインカムに感じたのはそんな思いでした。「いつかこんな未来を作りたい!」そう思いました。
ベーシックインカムを実際にやってみた
で。時は流れて2016年4月。21歳になったぼくはベーシックインカムを始めることとなります。これは自分自身予想していませんでしたが、本当にタイミングだったなあと思います。なんとなくコンサル業をメインとした事業が上手くいき始めた時期、ぼくはもっと自立した人を生み出したいという理念のもと、友人を育くんで色々と仕事を作っていこうと考えていました。
この記事の彼は正にそんな感じです。
で、彼以外にももう一人教えていた友人がいるのですが、なかなかリスクを取って動けないんですよね。やればいいのにって思っても、生活が壊れるのが怖いからできない。
ぼくの場合は生活が壊れるのが怖いから自分を追い込んでやり遂げないとやばいって追い込んむタイプです。でも全員が全員そうとは限らないですよね。特に普段の生活になれてしまっていると怖いんですよね。変えるのが。そして変わるのが。口ではなんとでも言えますがやっぱり危機感は感じるんだと思います。
ただその危機感は何なんだろうなって考えた時、きっと生活ができなくなることへの怖さは大きいのではないかと思ったんです。だったら生活ができる=必要最低限のお金がある状態を作ればいいのではとぼくは考えました。そこで頭に浮かんだのがベーシックインカムでした。
ぼくが出した受給条件は単純で、
- 生活に必要最低限のお金だけ支給する
- 自分で仕事を作れるように取り組む(取り組む上での経費も必要であれば支給)
- 取り組んだ仕事でお金を得られなかった時にベーシックインカムを支給する
この3つでした。内容は見ての通り簡単で、まあまじめにやってれば絶対受給できるものです。これで必要最低限の生活は出来るし、結果を出すのもきっと早い。そんな風にぼくは考えていました。
支給金でピンサロに行っていた受給者
最低限の生活が守られるとわかればガンガン自分のやりたいことを仕事にするために取り組むだろうな。だから、
生活に余裕ができる
↓
生活費を賄う為のバイトを辞める
↓
やりたいことを貫き通す
↓
目標達成!
だと思っていました。
そんなぼくの予想は半分当たって半分失敗しました。
先ほどあげた記事のカメラマンは結果論で言うと成功例です。彼は背中を押して行動させればガンガン突き進むタイプで、すぐにバイトを辞めてひたすら自分で仕事を作っていくために必死に頑張りました。
しかしベーシックインカムを支給したもう1人は結局バイトを辞めませんでした。こちらから声をかけると色々頑張ろうとはしていましたが、なかなか上手くいかず…
支給したお金の使いみちの1つがピンサロです。ピンサロに飛んでいました。
数字にすると優劣を付けやすいのもあり、ぼく自身基本的には結果主義で物事を見るケースが多いので使いみちがどうだろうと成功するのであればそんなことは気になりません。
しかし、結果論で見るとピンサロへ行くことに意味はあったのか?と思ってしまいます。もちろんその時はモチベーションの向上になりますが、それでお金がなくなってバイトを続けてしまっては本末転倒です。自分の仕事を作るための時間はなくなり、結局本人の気持ちもブレて何も成功することはありませんでした。
ベーシックインカムの本質とは?
カメラマンの彼が大成したのとこのままだと意味のないものになるなというぼく自身の思いもあり、ぼくはベーシックインカムを廃止することにしました。
ぼくが当初ベーシックインカムに抱いていた簡単な目標達成までのステップはあくまで自分自身にめちゃくちゃやる気がありしかしどうしてもお金が無いという人には向いているのかもしれません。
自ら本気感を出せなかったり、「やってみなよ!」で促された人には完全に逆効果。何もしなくてもお金もらえるラッキーみたいな感覚かもしれないです。
以前この話をした時に
「ぶんたさんのそれはベーシックインカムというより投資に近いかもね」
と言われたことがあるんですが、今はなんとなくそんな感じだったのかもな、とも思っています。
イケハヤさんの行っているベーシックインカムは本人も言っていますが、受給者に対してほぼ干渉しません。それが良くもあり悪くもあり。もう完全に仏の所業です。
ぼくの行っていたそれは、彼らの自立を手助けするため、そして彼らが自立してから一緒に何か仕事が出来たらなあというぼくの願望を重ねた投資に近いものです。他人に期待しすぎてしまうのが如何に意味のないことなのか、言葉ではわかっていながらもぼくの奥底では理解出来ていなかったんだと思います。
今回ベーシックインカムをやってみて初めてその本当の意味を理解出来ました。
成功者の必須条件
もうひとつ、今回の一件で成功する人の必須条件が具体的に見えてきました。それは「やる気を支えるために湧き上がる本気」だとぼくは思っています。
カメラマンの彼は高校を卒業してから長らくカメラマン業界に居ましたが訳あって元の場所に戻れなくなりました。そんな彼は自分の状況を見て本気でヤバイと思ったんだと思います。ぼくに「仕事を教えてくれ!」と話してきた時の彼は今までとは打って変わって本気さが宿っていました。
ぼくも高校を中退して起業し「中卒じゃ本当に働くとこ限られるしなんとかしねえとヤバイ!!!」という背水の陣があったからとにかく自分で動いてひたすら試行錯誤をしてこれたんだと思います。
こういった「もうあとがない…」という状況を本質的に理解出来てる人はきっと自然にいつまでも湧き上がる本気が芽生えるのだと思います。
カメラマンの彼は失敗も何度かありましたがその度に上方修正しメキメキと力を付けていきました。交渉術もコミュニケーションスキルも分析力も1年前とは比べ物になりません。
この成長は目標に向かってただただ突き進むためのやる気と、そのやる気を支えるための本気がなければ絶対に無理だったと思います。
ピンサロに行っていた受給者は鼓舞すればやる気を出していましたが、自らでそのやる気を支えるための本気はなかったように思うんです。
ベーシックインカムと本気の出し方
じゃあ結局本気ってどうやって出せばいいのって話なんですけど、これはまだまだ研究中です。ひとつの推測としてはメンタルが強い人は背水の陣をしくのが早いとは思っています。罵倒も多いですから怖い人はパスで。
今回ベーシックインカムをやったことはぼくにとって良い経験になりました。まだまだ制度としては条件付けしなければ早いかなというのがぼくの見解ですが、それでも本気が垣間見える人は受給していくべきだなと思っています。
スイス国民投票、「ベーシックインカム」を否決:朝日新聞デジタル
以前スイスの国民投票でベーシックインカムが否決されました。ここで賛成している人の中には「受給で本気でやりたいことを進めるためにやるべきだと思った人」と「受給されて楽になりたいからやるべきだと思った人」がどんな割合で存在しているでしょう。たぶん後者の方が多いんじゃないかな。きっとそうだろうと思います。
これに関してはそもそもぼくのような感覚での導入ではないだろうし、参考になるかはわからないけど、賛成23.1%の数字の中にいる人間がどんな人なのか、今回の経験のおかげでなんとなく見えてきました。
誰かを本気にさせるって本当に難しいです。どんなに話しても伝わらなかったり、自ら行動しない人の重い腰が上がることは中々ありません。
それでもいつか、誰かを本気にさせれるような魅力的な人間になろうとぼくはこれからも頑張っていこうと思います。